本は好きだが、読書は苦手。

はてなIDを変更したのでURLが変わりました(2019.10)。元「timeisbunny」(半年に1回、更新が目標)

面白かった漫画 3作 『古見さんは、コミュ症です。』『ロロッロ!』『あの人の胃には僕が足りない』

 

 

 

目次


1、 『古見さんは、コミュ症です。
2、 『ロロッロ!
3、 『あの人の胃には僕が足りない

 

 

 

 


1、古見さんは、コミュ症です。

オダトモヒト小学館週刊少年サンデー、2016~、既刊12巻)

 


試し読み

https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091273437

 

 

学園ラブコメであり、友情物語でもある。
オッサンだけど、キュンキュンしてしまった。

 


新入生、古見硝子(こみ・しょうこ)は、容姿端麗&沈黙寡言。
いわゆる超クールビューティ。
登校初日なのに、すでにクラス中からあがめたてまつられている。


実は彼女、極度のコミュニケーション下手で、人と話すことが大の苦手。
それゆえ、話しかけられてもパニックとなり、黙り込んで相手を凝視してしまう。
しかし美しいがゆえに、まわりは彼女を神聖視(神格化)する。
よもや彼女が「コミュ症」などとは思いもしない。


……なんだけど、ただ一人、違和感に気づく。
それがもう一人の主人公、只野仁人(ただの・ひとひと)。
(可哀想なほど)普通のキャラクター*1
そんな彼はあろうことか、学校のマドンナ*2古見さんの隣の席に座ることとなる*3


彼女と会話しようにも全くうまくいかない。
もしかして、彼女はコミュニケーションが苦手なのかもしれない。
そう問いかけてみると、
古見さんは教室の後ろの黒板に、おそるおそるチョークで文章を書き始めた――。

 

とまぁ、ここから古見さんのコミュ症克服(友達づくり)&学園ラブコメが始まっていく。

 

古見さんはコミュニケーションが苦手だけど、友達が欲しい。
その目標を達成させてあげるべく、只野くんが古見さんの気持ちを汲み取ってあげる。
少しずつだが、クラスメートと打ち解けあっていく。

 

ただ、周りは癖の強い人間ばかりで、そうすんなりとはいかない。
いつも只野くんが被害をうける。まぁ仕方ない(ごめん)。

 

そんな、持ちつ持たれつの関係である、只野くんと古見さん。
そりゃあ、お互いを意識しないわけがない。
巻を重ねるごとに、只野くんと古見さんを結ぶ赤い糸が少しずつ太くなっていく。

 

古見さんは恥ずかしがり屋でもあるので、ちょっとしたことですぐ顔を赤らめる。
そのしぐさが、ああもうこんちくしょう!と言いたくなるほど可愛らしい。
(あのシーン、このシーンが素晴らしいと言いたいのだけれど、ネタバレになるので書けない。)

作者さんは男心のツボをよ~くわかっていらっしゃる。
只野くんが心底うらやましい。

 

ピュアなラブコメが好きな方には、おすすめです。

 

作者(オダトモヒト)のツイッター
https://twitter.com/ooodaaaatooo

 

 

 

 

 

 

 

2、ロロッロ!

桜井のりお秋田書店週刊少年チャンピオン、2018~、既刊4巻)

 


試し読み
https://www.akitashoten.co.jp/comics/4253226566

 

一言でいうなら、ドタバタ・ロボット・(ちょっとハレンチ)コメディ。

 

見るからに怪しい格好の父親(博士?)が制作した、女性型ロボット、炉端イチカ
博士の一人娘、森繁ちとせ(12)の友達として造られた。
しかし、披露されたロボットは口をガムテープでふさがれ、まるで誘拐された少女のよう。
娘は顔面蒼白となり、行方不明者のリストを確認する。

 

そんなドタバタシーンから始まる。

 

衝撃的なシーンを見たからか、ちとせはイチカがロボットだということを信じていない。
誘拐されたと思っているので、隙あらば警察に通報しようとする。
イチカはなんとか自分はロボットだと彼女に信じてもらうべくあれこれ試す。
しかし、ぽんこつ機能ゆえ、突然全裸になったり、なぜか乳首だけが取り外しできたりで、信頼度は落ちる一方。
ロボットだと少しは信じてもらえたかと思いきや、またもやぽんこつ機能のせいで性癖を疑われ、引かれる一方。

 

本作は、1話につき10ページほどなので、非常にテンポがよく、かつ面白い。

 

ふと、「下品なアラレちゃん」という例えが思い浮かんだが、
そういえば、アラレちゃんも充分下品だった。
たぶん、ドクタースランプが好きな人なら、本作も楽しめると思う。

 

 

作者(桜井のりお)のツイッター
https://twitter.com/lovely_pig328

 

 

 

 

 

 


3、あの人の胃には僕が足りない

(チョモラン、講談社モーニング・ツー、2018~、既刊2巻)

 

あの人の胃には僕が足りない(1) (モーニングコミックス)

あの人の胃には僕が足りない(1) (モーニングコミックス)

 

 
試し読み
http://morning.moae.jp/lineup/942

 

 

タイトルに惹かれて読む。
まず絵が素晴らしくて、どんどん惹きこまれ、ページを繰る手が止まらなかった。

 

内容的には、バトル&ラブコメ?なのかな。
作品中でも、登場人物が「この作品ってラブコメなのかな?」と疑問を呈している。
あと、ロー・ファンタジー(現実世界に異質な存在が登場する感じ)でもある。

 

主人公は、中学三年生の舟次蒔絵(ふなつぎ・まきえ)。 
毎朝会う高校二年生の満腹(みつはら)さちに恋をしていた。
彼女はなぜか蒔絵に近づくと、いつも腹の音が鳴る。

 

実は、満腹さちは「ワタリ」と呼ばれる「人ならざるもの」で、人間に姿を変えていることを蒔絵は知る。
どうやら蒔絵は「ワタリ」たちが好む匂いを発しているらしく、彼を食べにくる。
満腹さちも「ワタリ」の一種なのだが、なぜか彼に味方し、他のワタリを退治してくれた。
ただ、彼女は蒔絵を食べたい欲求と葛藤しているらしく、なんとかこらえている模様。
彼女が蒔絵と出会うといつも腹を鳴らせていたのはそれが理由だった。

 

普通のラブコメと違うのは、ヒロインが主人公を(比喩ではなく)食べたいと思っているところ。
あまり無いアイデアで面白い。

 

そして、個人的に好きなのは、ラブロマンスの要素。
満腹さちは「ワタリ」ゆえか、あまり恋愛関係のことは分かっていない様子。
だけれど、彼女は蒔絵を「おいしそう」と思っているので、ぐいぐい彼に近づく。
蒔絵はそれに慌てふためく――。
という感じで、イチャコラしてますわ。
それがまぁ、いいんですよ。

 

自分はあまりバトル系は読まないが、本作は恋愛の要素の比重がそれなりに大きく、
その点が気に入って、読み進めたのだと思う。

 

あと、絵が本当に素晴らしくて、それが本作に惚れたもうひとつの理由。
余白の多いコマであっても、絵に力があるので、迫力というか存在感が出る。
それに、あまり詳しくないが、コマ割りが綺麗でスムーズに読み進められる。


個人的に意外だったのは、本作が「モーニング・ツー」で連載されていること。
内容的には、少年ジャンプとか少年マガジンで連載されていても違和感はない。


現在2巻まで刊行されている(2019年6月に第3巻が出る)。
まだ始まったばかり、という感じ。
長期連載となるのか、パパっと収束するのか。
今後の展開がどうなるかわからないが、ますます面白くなることを期待しています。

 

 

 

作者(チョモラン)のツイッター
https://twitter.com/huusen_uri


「あの人の胃には僕が足りない」公式アカウント
https://twitter.com/anohitonoiniwa

 

 

 

 

 

 

 

*1:表紙ではいつも目立たない

*2:のちに「神」

*3:そのせいで、嫉妬による陰口、罵詈雑言、さらに隙あらば忍者?に命まで狙われる始末