本は好きだが、読書は苦手。

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疑問 : 文庫、新書、叢書、単行本、それぞれの違いは?

 

 

 

まとめ


叢書(そうしょ)とは、出版形式の一つで、シリーズのこと。
文庫とは、小型本の叢書。
新書とは、文庫よりも少し大きいサイズの叢書。

 

つまり、文庫と新書は、叢書のうちの一つ。
また、文庫・新書という言葉には、サイズの定義しかなく内容に決まりは無い。

 

単行本とは、① 雑誌以外の書籍のこと、② 叢書ではない単独で出版された本のこと。
ただ、厳密には叢書なのに、単行本(①の意味)とよばれる本もある。
たとえば、コミックスなど。

 

 

 


叢書(そうしょ)


要は、シリーズのこと。「双書」とも書く。

 

① 多くの書物を集めてまとめたもの。
② 出版社が同じ形式・体裁で編集し、継続的に刊行する一群の書物。シリーズ。

 

ちなみに、叢書の「叢」とは「くさむら」とも言う。
① 草が群がり生えている所。
② 群がり集まる。多くのものの集まり。

 

 

 

文庫、文庫本


同一の出版社から継続的に刊行される小型の叢書。
本来の意味は、蔵書・図書館。
昔は、小型本のことを「袖珍(しゅうちん)本」「寸珍本」などと呼んでいた。
「そでに入るくらいに小型なもの」という意味。

 

文庫本の大きさ・サイズのことは、「文庫判」という。
由来は、文庫本に多いサイズだったことから。(そのままやないかい)
また、菊判截判(きくはんせつばん:約109×151mm)または、A6判(105×148mm)の俗称でもある。

 

始まりは、現代の文庫本と同じような形態ならば、
1903年に創刊された『袖珍名著文庫』や、1927年に創刊された『岩波文庫』から。
それらは、ともにドイツの出版社「レクラム社」が1867年に創刊した、
『レクラム文庫』に影響を受けている。

 

安価で小型の叢書の始まりは、厳密にはレクラム文庫でないらしいが、
『手堅い編集、厳密な校訂、全品分売の販売方針などによって評判を高め、
ついにはドイツ人の「教養の規範」と称される』(日本大百科全書の解説)
など、名声が高まり世界中の文庫の模範となった。


ちなみに、海外には「文庫」や「新書」という概念は無さそう。
日本における文庫や新書は、海外なら「ペーパーバック(paperback)」という概念に当てはまる。
ペーパーバックとは、ソフトカバーで低価格な本のこと。
日本の文庫や新書はそれらに影響を受けて作られた。
ただし、ペーパーバックは小型本とは限らない。

 

 

 

新書


文庫本より少し大きめの小型本の叢書。

 

新書のサイズのことを「新書判」という。(そのままやないかい)
『寸法はJIS規格(日本工業規格)外なので一定しないが、
173mm×106mmが標準である』(世界大百科事典 第2版の解説)とのこと。

 

始まりは、1938年に岩波書店が創刊した『岩波新書』から。
イギリスの出版社「ペンギン社」が、1937年に発刊した『ペリカン・ブックス』シリーズに影響を受けている(サイズや内容など)。

 

「新書」という名前の由来については、ハッキリとした出典を見つけられなかった。
だが、『古典を収録する岩波文庫に対し、
岩波新書は書下ろしを中心とした』(wikipedia)とあるので、
そこから「今までに無い新しい書物」ということで「新書」と呼ばれるようになったのだろう。

でも、『解体新書』はどうなんだろう。
これも「新しいことが書かれた本」という意味で「新書」と名付けたのだろうか?

 

 

 

単行本

 
① 雑誌以外の書籍のこと
② 叢書ではない単独で出版された本のこと


単行本といえば、大きめの本というイメージがある。
ただ、小型の単行本も少量ではあるが存在する。

 

 

 

 

出典

 

・叢書
https://kotobank.jp/word/%E5%8F%A2%E6%9B%B8-552536
https://kotobank.jp/word/%E5%8F%A2%E6%9B%B8%E3%83%BB%E5%8F%8C%E6%9B%B8-312288
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A2%E6%9B%B8
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E5%8F%A2%E6%9B%B8


・文庫、文庫本
https://kotobank.jp/word/%E6%96%87%E5%BA%AB-128427
https://kotobank.jp/word/%E6%96%87%E5%BA%AB%E6%9C%AC-623178
https://kotobank.jp/word/%E6%96%87%E5%BA%AB%E5%88%A4-623171
https://kotobank.jp/jeword/%E6%96%87%E5%BA%AB
https://kotobank.jp/word/%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E5%88%A4-1703793
https://kotobank.jp/word/袖珍本-77233
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%BA%AB%E6%9C%AC
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/bun/history/kikan/01.html


・ペーパーバック
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF
https://kotobank.jp/word/ペーパーバック-624526
http://1000ya.isis.ne.jp/0237.html


・レクラム文庫
https://kotobank.jp/word/レクラム文庫-151568
https://ja.wikipedia.org/wiki/レクラム出版社


・新書
https://kotobank.jp/word/%E6%96%B0%E6%9B%B8-81948
https://kotobank.jp/word/%E6%96%B0%E6%9B%B8%E5%88%A4-298842
https://kotobank.jp/jeword/%E6%96%B0%E6%9B%B8
http://kaze.shinshomap.info/topics/01.html


岩波新書
http://www.iwanami.co.jp/museum/chronicle/19381120.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8


・ペンギン・ブックス
https://kotobank.jp/word/%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-868453
https://www.youtube.com/watch?v=dqOzpcAqnLI


・単行本
https://kotobank.jp/word/%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-323395
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC